その唇に魔法をかけて、

 打たれた花城の横顔に、美貴は咄嗟にしてしまった行動に呆然となった。目元に少し乱れた前髪がかかり、彼はわずかに唇を噛んでいた。

「……悪い、怒鳴ったりして」

 徐に顔をあげる花城と目が合う。無意識に濡れ始めた美貴の表情を見て、バツが悪そうに顔を逸らされる。

「私こそ……すみません、叩いたりして」

 ――もし響ちゃんが自分を責めるようなことを言ったら、その時は一発ひっぱたいてやりなさい。