その唇に魔法をかけて、

「ご、ごめ――」

「美貴、東京離れてからなんか変わったね」

 呆れたような有紗の冷たい視線が美貴の胸に突き刺さった。有紗を怒らせてしまっただろうか。

(変った……? 私が?)

「そんなことな――」

「あぁ~もういいから、ホールに戻ろう! きっと美貴もさ、日頃ストレス溜まってるんだよ、パーっと飲んでスッキリ解消しよう!」

  ぐいっと有紗に腕を絡められるともう何も言うことができず、戸惑いながらホールへと戻ることしかできなかった。