(もっと自立しなきゃだめだよね……)
その時、ふと花城の事を思う。“彼のようにもっと大人になりたい”そんな憧れが胸を焦がしていった。それから、有紗に勧められたカクテルよりもワンランク下のスタンダードカクテルを注文し、賑わう周囲を見ながらぼんやりとしばらく無駄に時間を過ごしていた。
すると――。
「あぁ、美貴ちゃんじゃないか、久しぶりだね! 待ってたよ」
「あ、橘さん」
その時、すらっと背が高く、カラーを入れた襟足長めの無造作ウルフヘアーに女性受けしそうな甘い顔立ちをした男が歩み寄ってきた。美貴よりも三つばかり年上で、パッと見はいかにも遊んでいそうな印象だが、その印象通り、彼の遊びグセの悪さは仲間内でも有名だ。
橘亮治は、父親から譲り受けたカミューラの若きオーナーで、今日のパーティの主催者でもある。ブランドもののスーツを上品に着こなし、ハイソな雰囲気を纏った男だった。橘とは初めてこのクラブに来た時からの顔見知りで、去年、美貴のために盛大な誕生日パーティを開いてくれたりもした。
「大学卒業したんだって? おめでとう。すっかり大人の女性になっちゃって、なんとなくだけど、学生の時と雰囲気違うね」
「そ、そんなことないです」
すぐ近くまでくると、彼のフレグランスが香る。さりげない爽やかな匂いだったが、この香りと共に誘惑された女性も数しれずだ。
「お父様は元気? グランドシャルムも調子いいみたいだね、うちの親父も今夜は来てるんだ。どっかにいると思うんだけど……あ、隣り座っていい?」
橘はずいっと否応なしに隣りに座り込んできた。
その時、ふと花城の事を思う。“彼のようにもっと大人になりたい”そんな憧れが胸を焦がしていった。それから、有紗に勧められたカクテルよりもワンランク下のスタンダードカクテルを注文し、賑わう周囲を見ながらぼんやりとしばらく無駄に時間を過ごしていた。
すると――。
「あぁ、美貴ちゃんじゃないか、久しぶりだね! 待ってたよ」
「あ、橘さん」
その時、すらっと背が高く、カラーを入れた襟足長めの無造作ウルフヘアーに女性受けしそうな甘い顔立ちをした男が歩み寄ってきた。美貴よりも三つばかり年上で、パッと見はいかにも遊んでいそうな印象だが、その印象通り、彼の遊びグセの悪さは仲間内でも有名だ。
橘亮治は、父親から譲り受けたカミューラの若きオーナーで、今日のパーティの主催者でもある。ブランドもののスーツを上品に着こなし、ハイソな雰囲気を纏った男だった。橘とは初めてこのクラブに来た時からの顔見知りで、去年、美貴のために盛大な誕生日パーティを開いてくれたりもした。
「大学卒業したんだって? おめでとう。すっかり大人の女性になっちゃって、なんとなくだけど、学生の時と雰囲気違うね」
「そ、そんなことないです」
すぐ近くまでくると、彼のフレグランスが香る。さりげない爽やかな匂いだったが、この香りと共に誘惑された女性も数しれずだ。
「お父様は元気? グランドシャルムも調子いいみたいだね、うちの親父も今夜は来てるんだ。どっかにいると思うんだけど……あ、隣り座っていい?」
橘はずいっと否応なしに隣りに座り込んできた。



