セレブ達が集い住まう街、六本木――。
(ほんとに帰ってきちゃった……)
昼を少し過ぎた頃に黎明館の寮を出た。新幹線で数時間、すでに日は暮れかかっていた。東京へ来るまでの時間はなぜか気の遠くなるくらいに長いように思えた。
高級マンションや高層タワーが立ち並び、歓楽街へ行けばそこは夜闇をかき消すネオンが広がっていた。何度も見たことのある馴染みの光景のはずなのにまるで異世界のように感じてならなかった。
(パパ……どうしてるかな)
今頃父は何をしているだろうか、目と鼻の先の場所にいる父に会いに行ってしまおうと美貴はしばらく逡巡した。
(でもだめ、きっと会ったら……里心がついちゃう)
有紗の誘いに乗り、勢いで東京へ帰ってきたが、今日と明日の仕事は休みだ。ちゃんと頭を冷やして黎明館に帰りたい……とは思っているが、心のどこかで戻りたくないという気持ちもあった。
東京を離れてから二か月近く経つ。残念ながらこちらの桜はすでに散って葉桜になってしまっていた。時が流れるのは早い。
先ほどから電源を切っていたスマホを思い出して見てみると、かえでから何件もメールが入っている。
(心配かけてるのかな……私)
東京へ向かっている新幹線の中で、かえでから電話がかかってきた。休みの日にごめんと言いつつ、どこから聞きつけたのかわからないが、同僚とうまくいっていないことを心配して電話をかけてきてくれたようだった。
(ほんとに帰ってきちゃった……)
昼を少し過ぎた頃に黎明館の寮を出た。新幹線で数時間、すでに日は暮れかかっていた。東京へ来るまでの時間はなぜか気の遠くなるくらいに長いように思えた。
高級マンションや高層タワーが立ち並び、歓楽街へ行けばそこは夜闇をかき消すネオンが広がっていた。何度も見たことのある馴染みの光景のはずなのにまるで異世界のように感じてならなかった。
(パパ……どうしてるかな)
今頃父は何をしているだろうか、目と鼻の先の場所にいる父に会いに行ってしまおうと美貴はしばらく逡巡した。
(でもだめ、きっと会ったら……里心がついちゃう)
有紗の誘いに乗り、勢いで東京へ帰ってきたが、今日と明日の仕事は休みだ。ちゃんと頭を冷やして黎明館に帰りたい……とは思っているが、心のどこかで戻りたくないという気持ちもあった。
東京を離れてから二か月近く経つ。残念ながらこちらの桜はすでに散って葉桜になってしまっていた。時が流れるのは早い。
先ほどから電源を切っていたスマホを思い出して見てみると、かえでから何件もメールが入っている。
(心配かけてるのかな……私)
東京へ向かっている新幹線の中で、かえでから電話がかかってきた。休みの日にごめんと言いつつ、どこから聞きつけたのかわからないが、同僚とうまくいっていないことを心配して電話をかけてきてくれたようだった。



