「美桜ちゃんはもったいないよ」


夕食を食べている時、
唯一の同い年の女子である
海原 花ちゃんが唐突に言った。

「どうして?」

「だってさ、美桜ちゃんは可愛いから
引き取り依頼はたくさん来るのに
全部断っちゃうよね?」

またその話か。

「私なんて、1件も届かないよ。
このまま独り立ちするのかなぁ……」


確かに、花ちゃんへの引き取り依頼は
聴いたことがない。
てゆうかそもそもこの孤児院では
高校生になってまで引き取られずに
孤児院に居ることが珍しいみたいで。


本当は同い年も沢山居たけれど、
みんな引き取られていって
残ったのは私達だけだった。


「なんで皆断るの?」