真っ赤な、血が。 ベッドを、床を、彼を 染め上げていた。 大好きな彼は、 真っ赤な床に横たわったまま 返事をしない。 「…………………楓……?」 返事を、しない。 「楓!!」 部屋の明かりをつけることも忘れ、 荷物を床に投げ出して、 弾かれるように駆け寄った。