「は?」 「って、たまに思うときがあります。気持ち悪いですよね」 「谷くん」 「はい?」 「彼女のこと、好きなの?」 「好きですよ」 俺、誰でも好きなんです。と笑った。 そんなわけないのに。だから、さっき言ったことも忘れてください。とも。 「もう、忘れた」 「じゃあ。広重によろしく」と、言って立ち上がった。 チョコレートなんて、甘くない。 一度、振り返って、「誰にも言いませんから」と、だけ言った。 どうしてだろう。寂しくなった。