キミが愛しいと気付いたからで






悠斗へ




この手紙を悠斗が読む頃、私はもう悠斗の傍にいないと思います。


最後の夏の大会が終わって、引退して、受験に本格的に臨まなければなりません。


でもね、本当の理由は、親の都合で転校することになったからです。



最初、親から転校の話をもらったのは一年前、そして中学三年生の春は転校先で迎えるはずでした。


でも、どうしてもこの学校に、この部に、いたい理由がありました。


それは、悠斗、です。



私はずっと、悠斗のことが好きでした。


でも、この手紙を悠斗が読んでいるということは、きっと私は悠斗に好きだと言えなかったということなんでしょうね。



私の心の中に、悠斗に気持ちを伝えたいという思いと、悠斗に伝えずにこの恋を忘れるか、ずっとその思いがありました。



悠斗はいつも私を気にかけてくれていたね。

悠斗はいつも私を笑わせてくれていたね。


そんな悠斗のことが大好きで、でも離れたら、悠斗は私を簡単に忘れてしまう。


それなら、悠斗に想いを伝えることもないまま、この恋を終わらせてしまったほうがいいと思いました。




そんな時、悠斗は私に“話したいことがある”と言ってくれました。


美姫からも悠斗の想いを聞いて、もしかしたら悠斗も私のこと、と考えてしまったこともありました。



けれど、仮に悠斗が私を好きだとしたら、私は悠斗の傍を離れられる自信がありません。


悠斗の傍にずっといたいと、悠斗と変わらぬ時間を過ごしたいと、そう思ってしまうから。



何も言わず、悠斗の傍からいなくなろうと思いました。



でも、やっぱり私が悠斗を想っていたことだけは悠斗に知っていてほしくて、手紙という形で悠斗に伝えます。



私は、あなたのことが大好きです。


けどもう悠斗を想うのは終わりにします。


悠斗、恋をさせてくれてありがとう。

幸せになってください。





PS この手紙を読み終えたら、私という先輩がいたことも忘れてください。



美嘉