キミが愛しいと気付いたからで






それから数分後ー…





美姫先輩と佐伯が来て、俺は動きたくない体を無理矢理動かされる。





連れてこられたのは、肝試しのスタート地点ー…








ふと周りを見るも、美嘉先輩の姿は見当たらないー…







『………美嘉先輩は…?』







俺の問いかけに佐伯と美姫先輩が顔を見合わせる。





しばしの沈黙の時間が流れ、


『さぁ、悠斗、行こ!』


美姫先輩は半ば強引に俺の腕を引いて、中に入っていく。








『先輩……あの美嘉先輩は……?』




でも美姫先輩の返事はなくて、ずんずん前を進む美姫先輩に引っ張られるように俺は校舎の中を進んでいく。






どの位進んだだろうかー…



不意に美姫先輩の足が止まり、数秒の間があって、先輩は振り向く。








『悠斗、美嘉のこと…本気で好き?』



美姫先輩の問いかけの意味が分からない。


さっき、俺は美姫先輩に“美嘉先輩が好き”と言ったはず。








『………そっか』



心細い声で答えた後、美姫先輩は廊下の窓に向かって歩いていき、そして窓に手を添えた。









『悠斗、美嘉さ…。

 悠斗の想いを受け取らなかったでしょ。
 
 どうして美嘉、受け取らなかったと思う?』







『……俺のこと……そういう対象で見てなか』

『そういう対象だったよ、美嘉も』




美姫先輩の鋭い言葉に遮られ、俺は美姫先輩を見つめた。









『本当は……明日、この手紙を悠斗に渡す様に頼まれてたんだけど。

 やっぱ……悠斗のそんな顔を見てるとなんか違うな…って思っちゃった…』





そして美姫先輩は再び俺の方に振り向くと、その細い手を差し出す。



その細い手が持つ、白い色の封筒ー…







『美嘉から。
 今、ここで読んでみて』



美姫先輩から手紙を受け取る。


真っ白でシンプルな封筒には“悠斗へ”と綺麗な字で書かれていて、俺は急いでその封筒を開けた。



中には封筒と同じ、真っ白でシンプルな便箋が二つ折りにされた状態で入っていた。



俺はその便箋を開きながら、その内容に目を通すー…