体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

テレビで自分の彼氏が他の女とカップルだと紹介されたら自分の立場はどうなるのだ、というのだ。

べつにどうってことないじゃないかと優は思ったが、だまっていた。

「みんな綾香と優君は別れて、優君は新しい彼女と付き合っているんだと思うじゃない。そんなのひどくない?」

怒りで興奮し、目に涙まで浮かべている。

「誰かになんか言われたら、誤解だって言えば済む話だよ。そんなに気にするほどのことじゃないよ。大したことないじゃない」

早朝から秋川渓谷に行ってバーベキューをして、子どもの水難事件に遭遇して全速力で走って泳いで、それから慌てて家に戻って、夜は人混みの渋谷のファンシーなレストランでファンシーな食事をしたあとで疲れて眠かったせいもあり、優には「そうだね、ひどいね」と綾香をなだめる余裕がなかった。

優しくなだめてやらない限り、綾香がいつまでもぐずるのを知っていながらも。