梅雨が明けたばかりの7月のはじめ。

「しょうがない。付き合ってあげるから」という由美に引っ張られ、同窓会に参加した。

銀座の高級ホテルの鶴の間に美弥と由美が入ったときには、すでにたくさんの同窓生が集まっていた。

15年間の年月は男も女も様変わりさせるには十分だ。

いい形で30代を迎えた人もいれば、大人を飛び越え、先生だか生徒だか見分けがつかないほど実年齢より老けた人もいた。

会場にいくつか用意された丸テーブルには、何人かのグループになった同窓生たちが「わあ、久しぶり!」とか「変わらないねえ」とか言ってもりあがっている。

そんななかで美弥は由美と一緒に、各テーブルに置かれたワインやビールをぐいぐいのみながら、15年の月日を経た同窓生をぐるりと物色していた。