体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

その飲みっぷりも、飲んだ後にはじける笑顔も、ビールのCMに出られるんじゃないかと思うほど完璧な風景に、優はしばし見とれた。

優の彼女は酒をほとんど飲まない。

そのせいか、おしゃれな店や可愛い店を好み、以前、炭火と鶏肉の焼ける香ばしい匂いにつられて屋台の焼き鳥屋に入ろうとしたら泣きそうな顔で拒否された。

イタリアンにフレンチにカフェ飯、和食、どんなジャンルでも話題の店には行きたがるが、あまりに庶民的な店は毛嫌いする。

でも彼女のかわいらしい雰囲気にはファンシーな店が似合うので、優もそれでいいと納得していた。

「はい、おまちどうさま」と、たこぶつとだし巻き卵が運ばれた。

目の前の美弥は、「食べるよ」と、たこぶつを口に放り込んで、「うん、うん」と首を縦に振って、たこぶつのうまさを堪能している。

次にだし巻き卵を一切れつかみ、「はい」と優の口元に差し出した。

「ここのおじさんのだし巻き卵は絶品だから」

優は差し出された黄色い塊を口に入れて咀嚼する。

「うまい」

「でしょ」

うまい。

柏木美弥と一緒に食べる飯はうまい、と優は思った。