体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

美弥のマンションは築25年。

古いゆえにエントランスにオートロックのキーなどというこじゃれたものはない。

優は厚いガラスのドアを押してマンション内に入り、そのままちょうど1階で止まっていたエレベーターに乗り込んだ。

納得できないまま美弥も続いてエレベーターに乗る。

「今日は何もしないからね」

念を押す。

「うん」と、優は明るい返事をして、4階でエレベーターを降りると先に歩いていき、ドアの前で美弥を待った。

そして美弥がドアを開けると、勝手に「お邪魔しまーす」と言って部屋に上がり、「ウォー、暑い!」と叫んでサッシを開けてベランダに出た。

児童公園の緑が見える。

夕暮れになってもギイギイ騒いでいる鳥たちの声が飛び込んでくる。