体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

「今日は時間ある?」

「これから家で仕事するから、ない」と返信する。

「何時ごろ会社を出る?」

「もう帰る」

「じゃ、行くわ」

「だから仕事するんだって。来ないでよ」

それから優の返信がないことにホッとして、美弥は会社を出た。

なのになぜか、マンション脇の非常階段にメッセンジャーバッグを斜め掛けにした優が腰かけていた。

美弥の姿を見つけて「よっ」と立ち上がる。

「なにしてるの?」

「待ってたにきまってるじゃん」

「会社は?」

「社外勤務OKだから」

「私、マジで仕事あるんだってば」

「いいよ。俺もここで仕事するから」

「なんで?」

「落ち着くから」

「仕事なら自分の家でしてよ」と口をとがらせた美弥を見て優はくすっと笑い、とりあえず行こうよと、逆に促された。