体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

「私だって痕をつけられたら困る。彼氏募集中だもの」と、美弥も言い返す。

優は美弥の腕を離し、美弥の少し汗ばんだ皮膚の上に唇をはわせる。

額、まぶた、頬、耳たぶ、唇の周り。

首筋から下へと唇を滑らせ、胸に少し歯をあてる。

痕が残らないぎりぎりの強さ。

美弥は思わず首をそらす。

唇が体を這うだけなのに、なんでこんなに恥ずかしくて気持ちが良くて、昂奮するのだろう。

こんなこと、今までだって何度も繰り返してきたはずなのに。

何が違う? 

どこが違う?

唇の感触? 

肌をすべる強さ? 

スピード? 

いったい何が違って、何がこれほどいいの?

美弥は考える。

快感にわざと逆らうように。

心まで持っていかれないように。

だってこれは恋ではないから。

それでもこれから起こることに体は期待して、それを伝えたくて、美弥は優の背中に回した腕に力を込めた。