体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

「生美くん」
「その先は、言わなくてもいいよ」

生美は顔を上げて、どうにか美弥に向けて笑みを送った。

「驚かせちゃってごめんなさい……」
「まさか優君と一緒にくるとは思わなかった。でも恨まないって約束だし、祝福するよ。優君、もう美弥さんを放さないでね」
「ああ。家族になるからな」

腕を組んで、優は勝ち誇ったように片頬を上げた。
生美が目を見開く。

「結婚、するの?」

美弥がにこやかに笑って答えた。

「ええ」

生美の顔から何とか浮かべていた笑顔が消え、視線はテーブルに落ちた。