体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

予定では、生美の仕事が終わる時間にあわせて集まり、夕方から夜にかけて夜桜をみようということだった。
しかし夜が待てないほどに花冷えがする。

「うう、さぶ。よくみんなこんな冷えるのに地べたに座ってビールとか飲んでられるわよね。こんなんじゃトイレが近くなって大変よ。わたし、簡易トイレなんて怖くて行けないわあ」

まだ蓋を開けてもいないでかいバスケットを握りしめ、周囲で盛り上がっているグループを見ながら師匠が顔をしかめる。

確かに日が陰ってから急に冷え込み、風も出てきた。

「彦摩呂先生、風邪引いたら大変ですから、先に帰ってもらってもいいですよ」、という生美の言葉をまたもやスルーし、彦摩呂は「予定変更。生美んちに行きましょ。唐揚げも卵焼きもいっぱい作ってきたから、酒買って生美の部屋で飲みましょう」と、生美の承諾は得ずに出口に向かって歩き出した。