体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

「激混みじゃん……なんで俺らここにいるわけ?」と、本当に恨めしそうな目で左に並ぶスペシャルゲスを見る生美に美弥は思わず吹き出した。

「なによ、2人より3人の方が楽しいじゃないの」

そう言って左手に持った、まるでペット用のケージみたいに大きいバスケットをふりふりさせながら肩で生美をこづくのは、生美と恋人同士だと噂されている大河彦麻呂――華道の世界の大御所だ。
特大バスケットが大して大きく見えないのは、おねえ言葉と裏腹に、大きくがっちりしたがたいのせいだろう。

一昨日、彦摩呂から花見に誘われた生美は、美弥と行く予定になっているとやんわり断ったつもりだったのに、当たり前のように「いつ?」と聞いてきた。

正直に予定を伝えると「オッケー。私も行ってあげる」と言って、さらに勝手に「盛り上がるから」と、場所を上野公園に変更させられたのだ。