体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

日本国中が桜の開花情報を待ち望む季節になった。

去年の桜はどこで見たかしら――なんて、無駄なことをつい考えてしまう。

昨年の春は、まさかその先すぐに別れが訪れるなど全く予期せず、桜坂の桜を見上げたんだっけ。
そう、あの歌で有名な桜坂で。
「福山もここにきたってことだよな」なんて感激している啓太と一緒に。

あのときには啓太の心はすでに別れに向かっていたのかもしれない。
満開の桜に感心する様子にそんなそぶりはまったく感じなかったけれど、桜吹雪が舞う頃には私との思い出を風に散らし、次の季節に向かっていたのかもしれない。

そんな風に冷静に1年前を思い出せるのも、それからの優と出会って離れて、そして生美が目の前に現れたからだ。