体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

勇は久しぶりの気に入りの店でうまい酒を飲み、ますますずけずけ饒舌になる。

「そこに生美だ。どんなヘボな男でもそのシチュエーションで優しくされたらナイトに見える。それがあの生美だぞ。そりゃ誰だってよろめくだろう」

いや、よろめいたのは生美で、それが計算外だったのだ。

優は「あぁ」と「はぁ」が混じったような、ため息混じりの声を漏らし、うなだれる。

「1年間は綾香さんと恋人同士だろ。どうしようもない」

だろ?と勇に念を押されて、優は「ああ」と答えるしかない。

優は事情を分かっている勇に愚痴って慰めてもらいたい気分だったのに、逆効果だった。
傷口に塩を塗り込むように、勇は手加減なく正しいことを言う。

ひりひりする心を潤すように、優はグラスの冷酒を飲み干した。