体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

後ろから生美の顔が近づいて、息遣いが耳元をかすめる。
生美の指がうなじに触れて、ドキドキして息を詰めている間に美弥の髪が一つに束ねられた。
あらわになった美弥の首もとでネックレスが光る。

「うん、似合ってる」と言って、生美が首を傾けた拍子に解かれて自由になった髪がさらりと揺れた。

「きれい……」
「え、なにが?」
「髪……」
「見とれるほど?」

生美が可笑しそうな顔をする。

「ええ、見とれるほどに」
「じゃあ、まずは髪だけでも僕のこと、誰よりも一番に好きになってくれる?」

今度は少ししっとりとした光を瞳に浮かべ、生美は美弥の目を覗き込んだ。