体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

15年ぶりに再会した柏木美弥は、かわいい系の彼女とは異なるタイプだ。

少し切れ長の目は、表情を変えるたびに大人びたり幼くなったり、まるでツンデレな瞳。

感情をすぐに映し出し、それを見ているこっちの思いも吸い取ってしまう。

そんな危ない瞳の下には形の良い生意気そうな鼻がある。

唇は小さめだが、丸みを帯びてふっくらとした下唇は、熟したさくらんぼのようで果実の香りを放っているかのようだ。

小学生のときに初めて柏木美弥に会い、隣の席になったとき、彼女ははにかみながらニコッと笑いかけてきた。

優はドキドキして、笑みを返す代わりに美弥のさくらんぼみたいな唇とギュッとつねって泣かせてしまった。