体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

「ご飯食べに行こうか? 幸せで胸はいっぱいだけど、お腹は空いた」
「そうね」

駅舎の前の人混みのなかを、手をつないで再び歩きはじめる。
冷たい空気が頬を刺し、吐く息が呼吸に合わせて白い靄になる。


タクシーで移動し、生美が連れて行ってくれたのはスパニッシュレストランだった。
食前酒にシェリーを飲んで、タパス料理をつまみながらワインを飲む。
「どんどん飲んで」と、生美がやたらワインを勧めてくる。
そしてメインの肉料理を食べ終え、食後に甘めのシェリーを飲んでいると、それまで陽気に話していた生美が急に改まった顔を向けた。

「それじゃ、親密な話、第二弾」
「第二弾?」
「サンタからのお願い第二弾でもいい」
「でもいい?」

なにそれ、と笑ったが、生美が真面目な顔を崩さないので、美弥も真面目に聞くことにした。