体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

美弥は隣で子供のように喜ぶ生美をまじまじと見る。そして自分も初イルだったらよかったのになあと考える。2人して初めてのことに感動するのは、とても素敵なことだから。
イルミネーションも、イルミネーションを見て輝く生美の瞳も、とてもきれいだ、と見とれていたら、「あ~まんきつ~」と言って急に生美が振り向いたので、美弥は別に慌てることはないのに、なんだか慌ててしまった。

「ねえ」

生美が美弥の顔を覗き込む。

「なんかすごーく幸せな気分。初イルに付き合ってくれて有難う」

また胸がとくんとする。
生美との間にひかれたラインが、ちゃんと引いてあるはずのラインが、どんどんかすれて、心もとなくなっていく。