コースの前菜が運ばれてきたのを機に、ようやくケンさんは空になった自分のビールグラスを持って「じゃ、ごゆっくり! ボナペティ!」と言って立ち去った。
「ここに連れてきたのはミスチョイスだったかもしれない」
生美がぼやく。
「どうして? すごい素敵な場所。連れてきてもらって嬉しいわ」
「そうだね、この場所に責任はない。問題はケンさんだ。いらない情報をペラペラと。平気? 気に障ってない?」
「どうして? 全然平気よ」
「そう。なら、いいけど」
それから2人は、運ばれてきた前菜とメインディッシュをたわいないおしゃべりと共に食べ、デザートのフルーツタルトを口に運んだ。
「それじゃあ、そろそろ親密な話をしよう」
生美がおどけて、正面の美弥に少し顔を近づけた。
「どれくらい親密な話?」
美弥も笑って生美に顔を近づけ、あと少しで2人の額がくっつきそうになる。
「クリスマスイブは、もう予定入ってる?」
「残念ながら、入ってない」
「じゃあ、一緒に過ごしてくれる?」
「もちろん――でも、いいの? 生美君、親しい女の子とかいないの? あなたと一緒にイブを過ごしたいと思っている子がたくさんいるんじゃない? もう恨まれるのはいやだわ」
「いないよ。僕は彼女がいるのに他の女性を誘うようなことはしないから」
明らかに優を咎める言葉に、ドキリとして美弥は生美の前からすっと顔を離した。
「ごめんなさい……」
「どうして美弥さんが謝るの?」
「だって――」
「僕の方が、彼よりいいやつだってアピールしたかったんだよ。クリスマスイブ、約束だよ。ちゃんとあけておいてね」
生美が子供の用に右指を立てて差し出した。
その真っ直ぐな小指に、小指をからめる。
ゆびきり、げんまん。
「親密な話はそれだけ?」
「今はね。あとはクリスマスイブまでとっておく」
「ここに連れてきたのはミスチョイスだったかもしれない」
生美がぼやく。
「どうして? すごい素敵な場所。連れてきてもらって嬉しいわ」
「そうだね、この場所に責任はない。問題はケンさんだ。いらない情報をペラペラと。平気? 気に障ってない?」
「どうして? 全然平気よ」
「そう。なら、いいけど」
それから2人は、運ばれてきた前菜とメインディッシュをたわいないおしゃべりと共に食べ、デザートのフルーツタルトを口に運んだ。
「それじゃあ、そろそろ親密な話をしよう」
生美がおどけて、正面の美弥に少し顔を近づけた。
「どれくらい親密な話?」
美弥も笑って生美に顔を近づけ、あと少しで2人の額がくっつきそうになる。
「クリスマスイブは、もう予定入ってる?」
「残念ながら、入ってない」
「じゃあ、一緒に過ごしてくれる?」
「もちろん――でも、いいの? 生美君、親しい女の子とかいないの? あなたと一緒にイブを過ごしたいと思っている子がたくさんいるんじゃない? もう恨まれるのはいやだわ」
「いないよ。僕は彼女がいるのに他の女性を誘うようなことはしないから」
明らかに優を咎める言葉に、ドキリとして美弥は生美の前からすっと顔を離した。
「ごめんなさい……」
「どうして美弥さんが謝るの?」
「だって――」
「僕の方が、彼よりいいやつだってアピールしたかったんだよ。クリスマスイブ、約束だよ。ちゃんとあけておいてね」
生美が子供の用に右指を立てて差し出した。
その真っ直ぐな小指に、小指をからめる。
ゆびきり、げんまん。
「親密な話はそれだけ?」
「今はね。あとはクリスマスイブまでとっておく」


