「いらっしゃい。待ってたよ」
「ケンさん、ご無沙汰です。彼女は柏木美弥さん。どうしてもここを見せたくて連れてきちゃいました」
生美がそう挨拶すると、彼は「おお、やっとその日が来たか!」とおどけ、生美と美弥を交互に見た。
いえいえ、自分は彼にとってそんな大切な相手じゃないですから、というつもりで美弥は小さく手を振ったが、生美は「そういうことです」と言って嬉しそうに笑った。
奥に進むとガラスケースのような作りに変わり、密閉された扉を開けるとそこは植物園になっていた。表からは想像がつかないほど広く、奥行があり、天井まで届く大きな熱帯植物や色鮮やかな花々やサボテンが、一見無秩序に見えて実はとても美しく配置されていた。
そしてその奥に進むとまたガラスの扉が現れて、中はレストランになっていた。
右サイドの大きなガラス窓から見えるのは緑に覆われた岩山と、その下には澄んだ渓流、山の上からは白いしぶきを上げて落ちる滝。しかしそれ以外のガラスの壁から見える景色は熱帯ジャングル。全く趣の異なる風景が、ガラスを隔てて広がっている。
季節も場所もあいまいな不思議な空間を、美弥はゆっくり見渡す。
「ケンさん、ご無沙汰です。彼女は柏木美弥さん。どうしてもここを見せたくて連れてきちゃいました」
生美がそう挨拶すると、彼は「おお、やっとその日が来たか!」とおどけ、生美と美弥を交互に見た。
いえいえ、自分は彼にとってそんな大切な相手じゃないですから、というつもりで美弥は小さく手を振ったが、生美は「そういうことです」と言って嬉しそうに笑った。
奥に進むとガラスケースのような作りに変わり、密閉された扉を開けるとそこは植物園になっていた。表からは想像がつかないほど広く、奥行があり、天井まで届く大きな熱帯植物や色鮮やかな花々やサボテンが、一見無秩序に見えて実はとても美しく配置されていた。
そしてその奥に進むとまたガラスの扉が現れて、中はレストランになっていた。
右サイドの大きなガラス窓から見えるのは緑に覆われた岩山と、その下には澄んだ渓流、山の上からは白いしぶきを上げて落ちる滝。しかしそれ以外のガラスの壁から見える景色は熱帯ジャングル。全く趣の異なる風景が、ガラスを隔てて広がっている。
季節も場所もあいまいな不思議な空間を、美弥はゆっくり見渡す。


