体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

2人してしばらくの間黙りこんだのち、「愛と体の関係を考える勉強会、という名目はどうだろう?」と、冗談としか思えないバカっぽい提案を優が真顔で投げかけてきた。

「なにそれ?」

「つまり俺たちは恋愛感情がないのに、したくてたまらない。

でもそれは誰とでもしたいわけじゃなくて、俺は柏木と、柏木は俺としたい。

恋愛感情はなくてもお互いの体は相思相愛状態で強く求めあってしまった。

心とは裏腹に、体同士は一目ぼれしてしまったわけだ。

一瞬にして体は恋に落ちたんだ。

感情として愛していると認識することと、感情では愛していなくても体が愛し合っている場合、これはやはり愛なのか。

考えても見ろよ。

俺や柏木という人間のなかで体が占める割合は大きい。

体より脳で考える愛情の方が真実だ、とは言えないんじゃないか。

だから、それを追及するべく勉強会を発足する。

これは真面目な愛とセックスの関係を探る勉強会だ」