9月になって、生美が定期的に連絡してくるようになった。
確かに8月に会ったとき、「連絡しますから」とは言っていたが、その場のノリだと思っていた。
優と入れ替わりだったので、美弥は最初、もしや優が後ろめたさを感じ、生美に美弥の相手をするよう頼んだのではないか、そんなうがったことも考えた。
じゃなければ、いくら小・中学校時代の先輩で、兄の同級生だという親近感があったとしても、今は名前も売れた多忙のフラワーアーティスト、そしてそのルックスで相当女性にもてるであろう生美がなぜ自分にたびたび連絡してくるのか、正直美弥にはわからなかった。
10月の初めに出版された生美の『花ライフ』という本は予想以上に売れて、あっという間に増刷された。
出版社主催の生美の出版記念特別講座の様子はテレビのエンタメニュースでも取り上げられ、『旬の男』として雑誌でもよく取り上げられている。
そんな生美から誘いがあるたびに、美弥は「なにが狙いなんだろう」と斜に構えていたが、生美の屈託のない様子からは何も読み取れない。
美弥はしだいに警戒心をほどいていき、素直に生美との時間を楽しむことにした。
生美の優しさはヒリヒリ痛んでいた心を覆ってくれたし、とても心地よかったから。
寄りかかることを許してもらおうと思った。
確かに8月に会ったとき、「連絡しますから」とは言っていたが、その場のノリだと思っていた。
優と入れ替わりだったので、美弥は最初、もしや優が後ろめたさを感じ、生美に美弥の相手をするよう頼んだのではないか、そんなうがったことも考えた。
じゃなければ、いくら小・中学校時代の先輩で、兄の同級生だという親近感があったとしても、今は名前も売れた多忙のフラワーアーティスト、そしてそのルックスで相当女性にもてるであろう生美がなぜ自分にたびたび連絡してくるのか、正直美弥にはわからなかった。
10月の初めに出版された生美の『花ライフ』という本は予想以上に売れて、あっという間に増刷された。
出版社主催の生美の出版記念特別講座の様子はテレビのエンタメニュースでも取り上げられ、『旬の男』として雑誌でもよく取り上げられている。
そんな生美から誘いがあるたびに、美弥は「なにが狙いなんだろう」と斜に構えていたが、生美の屈託のない様子からは何も読み取れない。
美弥はしだいに警戒心をほどいていき、素直に生美との時間を楽しむことにした。
生美の優しさはヒリヒリ痛んでいた心を覆ってくれたし、とても心地よかったから。
寄りかかることを許してもらおうと思った。


