体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

カフェから見える噴水からは涼しげに水が噴き上げ、その噴水を囲むように設置されているいくつものベンチはすべてカップルに占領されている。

あの人たちは皆、こんな悩みはないのだろう。

その前に、こんな絶望的に離れがたいセックスの体験があるのだろうか。

美弥は夏の日差しを受けて汗ばみながらも幸せそうにぺたりとくっついている男女の姿を食い入るように眺めた。