体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

梅雨が明けた途端、季節は夏になっていた。

照りつける太陽に手をかざしながら、力強い夏草や木々の匂いを美弥は存分に吸い込んだ。

強い日差しは若くはない女の肌には大敵だが、それでも美弥は夏の日差しが好きだ。

強い日差しは強いエネルギーそのものだと思う。

カフェのテラス席に着き、優はクラブサンドを頼み、美弥はハニーパンケーキを注文した。

それぞれのプレートが運ばれてくると、「困ったな」とこぼしながら優はクラブサンドを頬張り、美弥は「どうしようかな」とつぶやきながらパンケーキを口に運んだ。

そして顔を見合わせ、「少し食べる?」とお互い自分の皿を指しながら同時に言い、「食べる」と、やはり同時に答えた。