「あー、疲れた。岡山って、ほんと、遠いわ」
家に入るなり、綾香は今の座敷に座って足を投げ出した。
母が冷たい麦茶を運んできて、綾香の正面に座った。
そして、麦茶を一気に飲みほす綾香を見つめながら、「あんた、いいの?」と聞いてきた。
「いいの?って、なにが?」
「拓未君をアッシーみたいに使っちゃって。悪いじゃないの」
「いいのよ。彼が勝手に迎えに来てくれるんだもの」
母はあきれたような顔で、綾香をじとっと見つめた。
「優君、他の女の子と付き合っているみたいじゃない」
まさか岡山の母のところにもそのニュースが及んでいたとは思ってみなかった。
「そんなことないわよ」
「でもスクールでは、沖田の息子さんが彼女と一緒にテレビに出ていたって、話が持ちきりだったのよ。わざわざ録画した映像を見せてくれた人がいて、お母さん、てっきりあんたかと思って……実はうちの娘なのよ、って言おうとワクワクしていたのに、知らない女の人じゃない。びっくりしたわ。テレビの人もお似合いのカップルだって言っていたし。別れたの?」
残念そうな、憐れむような顔をするのはやめてほしい。
家に入るなり、綾香は今の座敷に座って足を投げ出した。
母が冷たい麦茶を運んできて、綾香の正面に座った。
そして、麦茶を一気に飲みほす綾香を見つめながら、「あんた、いいの?」と聞いてきた。
「いいの?って、なにが?」
「拓未君をアッシーみたいに使っちゃって。悪いじゃないの」
「いいのよ。彼が勝手に迎えに来てくれるんだもの」
母はあきれたような顔で、綾香をじとっと見つめた。
「優君、他の女の子と付き合っているみたいじゃない」
まさか岡山の母のところにもそのニュースが及んでいたとは思ってみなかった。
「そんなことないわよ」
「でもスクールでは、沖田の息子さんが彼女と一緒にテレビに出ていたって、話が持ちきりだったのよ。わざわざ録画した映像を見せてくれた人がいて、お母さん、てっきりあんたかと思って……実はうちの娘なのよ、って言おうとワクワクしていたのに、知らない女の人じゃない。びっくりしたわ。テレビの人もお似合いのカップルだって言っていたし。別れたの?」
残念そうな、憐れむような顔をするのはやめてほしい。


