体から堕ちる恋――それは、愛か否か、

拓未の無遠慮な視線を受けながら綾香は、ルックスは悪くないのにこういうところがスマートじゃないと考える。

「なによ」
「いや、そんなに日に焼けるのが嫌なのかなと思ってさ」
「だってシミもしわも原因は紫外線なのよ」
「ふうん」

だから?みたいな顔をする。
この鈍さが気に障る。

「男の人は日焼けを気にする女を笑うけど、シミやしわのできた女のことはもっと嫌がるくせに。勝手よね」

綾香はさもそんな男が拓未だと言わんばかりに、嫌悪感をあらわにして拓未を睨んだ。

「まあ、確かにね。でもさ、そんなこと言ったら女だって食が細い男は嫌とか言いながら、太った男を罵倒するじゃん。一緒じゃん」

拓未は綾香を睨み返す、なんてことはせずに笑顔を作った。

「そうよ。だからどっちを選ぶかの違い。小麦色か、シミだらけのしわくちゃか。小食か、でぶっちょか」
「極端だなあ」
「そうよ。今頑張っておかないと」
「今っていうか、ずっとだろ? なんかつまんないね」
「なにが?」
「未来のシミやしわのためにビーチにも行けないなんて」
「きたないおばさんになりたくないもの」

その言葉のきつさ、言い方の強さにひるんだ拓未は、もう言い返すことはせず、そのまま綾香の家に車を走らせた。