体育館に着くと、想像通り……。 「キャーッ!! 汐見くん、カッコいい~♪」 「汐見く~ん。 こっち向いて~!!」 わーわーキャーキャー、ものすごい騒ぎが起こっていた。 「うわ~。 いるね~。 女子たちが、うじゃうじゃと~」 黒山の女子たちの後ろ。 ぴょんぴょん飛びはねながら、繭は言った。 「これじゃあ、全然、見えないよ~。 仕方ないっ。 よいしょっ、よいしょっ……」 背の低さを利用して、繭はもぐるように前に出る。