『くるしい』 さえ残っていなかった。 真理奈自身は、「くるしいから別れることにしよう。」と思ったんだろうけど、 そんな感情が残っているようには見えなかった。 真理奈は、あたしの想像以上に深い傷を負っていた。 そして、それを覆い隠すように平然を装っている。 痛みを通り越して、『無』になっている。 ねぇ、神様。 真理奈を救ってあげられるのは誰? 私? 拓斗? 颯君? それともほかの誰か?