悪「どうもー!こんばんわ!phantasm king、ボーカルの、八神悪鬼です!」

獅「ギターの喜楽獅苑(きらく しおん)です!」

甜「ベースの如月甜歌(きさらぎ てんか)ですー!」

陽「ドラムの美澪 陽希(みれい はるき)です!」


『おっ、始まった。』

私はラジオ放送のレギュラーが、phantasm kingと聞いて、楽しみにしつつ、放送を聞いていた。



悪「はい!始まりましたー!ついに、phantasm kingが、ラジオ放送に来ましたーーー(笑)」

獅「うるせーよ。(笑)」

悪「えーとですね、この放送は、歌ったり、雑談したり、みなさんのことを聞いたり、誰でも楽しめるような、そんな放送にしたいと思います!」

甜「暴走したら、僕が止めますので、安心して聞いてください♡」

陽「おい、媚びうるな(笑)」


何気ないトークでも、自然と頬が緩んでしまう。


悪「はい、でわ、最初のコーナ!てんてん、頼んだ(笑)」

甜「はーい!最初のコーナーは、『もっともっと、phantasm kingを知っちゃおー!』のコーナーです(笑)」

悪「このコーナーは、あらかじめスタッフさんが考えたテーマに対して、僕たちが包み隠さず、答えちゃおー!ってな感じです(笑)」

獅「そして、そして、今回のテーマは


『phantasm kingが結成される前、メンバーは何をしていたか!?』


っと言うテーマで進めていきまーす!」

陽「順番は、俺、キラ様、てんてん、あっきーの順番です!」

悪「よし、じゃあ、ハルきんぐ、君はバンドを結成される前、何をしていたか!?」

陽「えーとですね、じつは普通にサラリーマンとして働いてました(笑)

地道に、パソコンいじってましたよ!

今の俺じゃ考えられない(笑)

だけど、なんかこの仕事つまんねーなって思ってたら、バントの募集やってたんですよ!

元々、中学からドラムやってたんで、これだーって決めましたね(笑)」

獅「ハルきんぐが、パソコンとか想像つかねー(笑)」

陽「だろ(笑)」


『へえー!ハルきんぐって、サラリーマンだったんだ(笑)

全然想像つかない、ってか、髪の毛絶対、怒られるでしょ(笑)

ピンクだもんね(笑)』

悪「はい、じゃあ、次!キラ様!
メンバーになる前君は何をしていた!?」

獅「はーい!俺はですね、………花屋でした(笑)」


『えええええーー!キラ様が花屋とか想像つかない(笑)』


私は思わず叫んでしまった。

だって、キラ様格好いいし、大人の雰囲気でてるから、ちゃっかりホストかと思ってたのに、まさかのお花屋さん!?

なんて、ピュアなんだ(笑)


甜「ちょ、キラ様、冗談きついって(笑)」

獅「いやいや、ほんとだから(笑)俺の親がよ、花屋だから継いでたってわけ!
でも、俺けっこー人気だったよ?奥さんに!」

陽「そりゃー、キラ様、色気があるからなー!!」

甜「はい、深夜放送だからって、こういうのは許しません!!」


さすが、てんてん!

しっかりしてる(笑)


悪「さあ、変態は置いといて、次!てんてん!
メンバーになる前、君は何をしていたか!?」

甜「はい、僕はアクセサリーショップで、店長してました(笑)」

獅「さすが、金持ち……。
みなさん、ラジオなんで見れないと思いますけど、こいつの体、宝石だらけですよ!」

甜「ちょ、宝石だらけって言い方おかしいから(笑)

ただ、自分で作ったのをつけてるだけ!

あっ、そうだ!僕のファンだって言えば、20パーセントOFFになるから、ぜひ僕のお店に来てね♡」

陽「はい、そこ、宣伝すんな(笑)」



てんてんのお店、すっごくおしゃれなんだよね。

可愛いのから、カッコいいのまで、色々あるんだけど、結構高いから、あんまり買えない(笑)

でも、ファンだから、ネックレスを買っちゃいました!

花のネックレス。

高いだけあって、おしゃれで可愛い♡

悪「キラ様は、お花屋さん、
てんんてんは、アクセサリーショップ、
ハルきんぐは、サラリーマン……。

……って、バンド活動してないんかい(笑)」

獅「いやいや、ギターは趣味!」

甜「同じく(笑)」

陽「まあまあ!じゃあ、次!あっきー!
メンバーになる前、君は何をしていたか!?」

悪「はい!僕はちゃんと、バンドやってました!」

獅「さすが、phantasm king結成者(笑)」

悪「僕は、駅とか公園とかで、路上ライブしてましたね!」




ドキッ




悪「そんとき、僕、ちょうど失恋してて、それを曲にしてたんですけど……。

あまりにも、誰も聞いてくれなくて、正直、諦めてたんですよ……。

僕には、もうバンドは無理なんだって(笑)

んで、最後の路上ライブにしようって思った日に、立ち止まって聞いてくれた、可愛い女の子がいたんですよ!」




胸がドキドキする。

もしかしたら、あっきーは、私のことを覚えてるんじゃないかって……。

勝手に期待してしまう……。




悪「“失恋”って曲を歌ったんですけど、
なんか、聞いていた女の子、泣いちゃって(笑)」

獅「おい、何したんだよ(笑)
普通泣かねーだろ!
もしかしてお前、嬉しすぎて抱きついたりしてねーだろうな(笑)」

悪「いやいや、僕にそんなことする勇気ないから(笑)

まあ、ちょうど、彼女も僕と同じ様に失恋してたみたいでさ……。

だから、僕の歌詞が心に響いたみたい…。

んで、笑顔になってほしくって、彼女に僕のCDを渡したんだ!」


甜「へえー!ちなみに、その女の子と会ったりしてるの?」

悪「……いや(笑)それが、名前もアドレスも知らないんだよね……。」

獅「はーー!?さすが、ヘタレだな(笑)」




さっきから、涙がとまらない……。



悪「その後、夜歌ってたら、スカウトされて、結果的に、もう公園に行くことはなくなったんだけど(笑)

でも、たまに思うんだよね……。

あの子は、ちゃんと前に進めてるかな?

また、泣いてないかなって(笑)

だから、君が泣かないように、

誰かが僕の歌を聞いて喜んでもらえるように、

僕は有名になって、曲を届けようって!」

陽「さすが、リーダー。いい話だわ(笑)」

悪「ありがと(笑)

っということで、あっというまに、放送終了時間がきてしまいました!

寂しいですが、また来週!」

甜「次回はみんなと、お話しするよ!」

陽「ご感想はメールで!」

獅「みんな、またなーーーーー!」

全員「以上!phantasm kingでした!」





放送時間が終わった後も、ずっとあっきーの言葉が離れなかった。

だって、もう、忘れてると思ってた。

名前もアドレスも知らない。

たった一回、立ち止まって聞いただけなのに……。


彼はちゃんと、覚えていてくれた。



何より嬉しかったのは、

彼は私に、彼女さんに伝えるために

有名になるっていってた。

なのに、さっきの、ラジオでは…。





《君が泣かないように》




そう、言ってくれた。



彼にとって、私は何でもない存在。

ただのphantasm kingのファン。


でも、私にとって、彼は命の恩人。

そして、芸能人。

絶対に叶わない恋だって分かってる。

辛いだけだって分かってる。



それでも、想わせてください。







私は八神悪鬼さんのことが、













心から大好きです。