そして麻也くんは、そんなあたしを見て「高瀬先輩に告れよ」とか言う。
告った方が早いし、何よりこのみんなの誤解も消える、と。
そして俺はもっと自由に女の子達に近づける…と。(これ一番最低)
けど、出来ない。
だって…何で「好き」とかそんなことが言えるわけ!?
あたしは告白なんてしたことが無いし、するような勇気も全く無い。
しかしそんなことを思いながら複雑な気分でテニスコートを眺めていたら、
その時遠くから麻也くんがあたしに向かって嬉しそうに手を振った。
「おーい!麻美ちゃーん!」
「!」
「俺、今日こそスマッシュ決めるからー!見ててねー!!」
そう言って、ぴょんぴょんはねながらあたしに向かって両手を振る。
その光景に、思わず苦笑いの佑亮くんと高瀬先輩。
麻也くんは何より、スマッシュが苦手なのだ。
でも、あたしはそんな彼に手を振りながら言った。
「ちゃんと見ててあげるから、練習に集中しなよー!」
「うん!」
…何と言うか、彼氏というより…たまに弟のようだ。そんな思いの方が強い。
あたしが麻也くんに手を振ると、麻也くんは再び部活に戻った。
「…絶対好きだな」
そしてそんな佑亮くんの呟きにあたしは、聞こえないフリをした。

