その思わぬ言葉にあたしがそう言って顔をしかめると、佑亮くんは「ちげーよ」って話を続ける。
「だってアイツ、麻美にだけセクハラしないとか。絶対好きだろ。本命にはそういうこと出来ねぇんだって」
「いやいやいや。それは、あたしと麻也くんが友達だからだよ」
「そーかな」
「絶対そうだって。あたし達は、恋愛とか…あるわけないんだから」
あたしは佑亮くんの言葉にそう言うと、テニスコートではしゃぐ麻也くんを離れた場所から見つめる。
麻也くんは特にスポーツが得意ではないけれど、テニス部には「モテそうだから」っていう理由だけで入部した。
そしてそんな単純なアイツを、帰宅部のあたしがこうやって待つ理由。
それは…
「おお、麻美ちゃん」
「!」
「今日も麻也のこと待ってんの?ラブラブだねぇー」
「…た、高瀬先輩」
あたしはこのテニス部に、
好きな先輩がいるから。