けど麻也くんとあたしは、今じゃもう“親友”と言っていいくらいに仲が良い。
お互いに恋愛感情は全く無く、
学校や部活が無い日には一緒にショッピングに出かけたり、
映画を観たりカラオケに行ったりしてはたくさん遊んでいる。
まるで、兄弟そのものだ。
よく言い合いみたいな軽い喧嘩には発展したりするものの、それはほんの少しで時間が経てば仲はすぐに元に戻る。
そしてそんな麻也くんと超仲が良いあたしを、女子達は「やめときなよ」って頻繁に言う。
そのうち襲われるよ、とか。子どもが出来るよ、とか言われるけれど。
麻也くんは、あたしには何もしない。
だから…
「っつかさ、麻也は麻美のことが好きなんだって。絶対」
「…は」
しかし、少し浮かれ気分でいたその放課後。
テニスコートの部活風景を眺めるあたしに、麻也くんの友達の佑亮(ゆうすけ)くんがそう言った。
佑亮くんもあたし達と同じ学年で、テニス部所属。
麻也くんを通じて、あたしとも仲良くなった友達だ。
「何言ってんの。バカなの?」