麻美ちゃんと女好き王子


「……」



……ん?何?よくわからない。

結局、提案したのはどっちなの?


あたしはそう思いながら首を傾げるけれど、一方の麻也くんは構わずにどんどん先を行っちゃうし。

これ以上考えたって仕方ないから、あたしは「まぁいいか」と麻也くんの隣へと歩き出した。





しかし―――…





「…!」





………ふいに視線を横に移した、次の瞬間。


あたしはその時、また見覚えのある人物と目が合った。




…黒いポロシャツに、普通のジーパン姿。

その男の人は、深く帽子を被っていて…



あれ?あの人って…

…コーヒーカップに乗っていた時の…?



そう思ってびっくりして立ち尽くしていたら、やがて少し遠くから麻也くんが言った。



「何してんのー、麻美ちゃん!」

「!」

「早く帰るよー」

「あっ。う、うん」