麻美ちゃんと女好き王子



すると、そんな電話の向こうで、麻也くんの不思議そうな声が聞こえてくる。


…遊園地って、こんなに楽しくない場所だったっけ。

こんなにぎこちなくて苦しい場所だったっけ。


あたしが思う遊園地は、明らかにそんな場所じゃない。



「…何があったの、」



そしたらやがて麻也くんがそう聞いてきて、あたしは電話越しに今までのことを全部麻也くんに話した。


今日、他の部員みんながいきなり来れなくなって、今高瀬先輩と二人きりで遊園地に来ていること。

でも二人きりになるのは初めてだから緊張して苦しいことと、告白出来る自信がないこと…全てを話した。


きっと、高瀬先輩に嫌われたくないっていう思いが…邪魔をしているんだ。


あたしの言葉を聞くと、麻也くんが言った。



「…自信がないなら、無理にやんなくていいよ」

「え、」

「告白、」



そう言うと、びっくりするあたしの電話越しに、また言葉を続ける。



「ただね、麻美ちゃん」

「?」

「そうやっていつまでも逃げてたって、変わらないよ」

「!」

「逃げてたって高瀬先輩に思いは伝わらないし、そりゃあ伝えない方が楽だろうけど…そのうち他の誰かに先越されるかもしれないじゃん。

緊張して苦しいのは、それだけ麻美ちゃんが一生懸命な証だよ。だから大丈夫、麻美ちゃんならちゃんと出来るから」



俺は、応援してるよ。


麻也くんはそう言うと、電話越しにあたしを励ましてくれた。