麻美ちゃんと女好き王子


…………



ぐるぐる回るコーヒーカップに乗った後は、

高瀬先輩と一緒にゴーカートに乗った。


本当はメリーゴーランドにも乗りたいけれど、

麻也くんと一緒に来た時は絶対に乗りたがらなかったから、男の人ってあんまり好きじゃないのかなぁって聞く前に諦めた。

ゴーカートはあたしが運転したけれど、相変わらず麻也くんよりは下手だと思う。

麻也くんは、ゴーカートの運転が格別に上手いのだ。


でも、ゴーカートから出ると、高瀬先輩があたしに言った。



「麻美ちゃん、運転上手いね!」



そう言って、ニコニコと素敵な笑みを向けられる。

上手い、なんて初めて言われたけれど。

実際に言われたら、こんなにも気分が良いなんて。


だけど素直に頷くのもどうかと思って、あたしは「そんなことないですよ~」ってお決まりの言葉で否定した。


…ほんと、いつまでもぎこちないし緊張する。



「次、お化け屋敷行くか!」

「!!え、」



でもそしたら、ふいに突然高瀬先輩がそう言ってあたしの手を引いた。

あたしが返事をする前に、スタスタとその足は軽快に「お化け屋敷」に進んで行って…。



「ま、待ってください!」

「…え?」



その瞬間、あたしはいたたまれなくなって思わずその背中を引き留めた。


…不思議そうな顔をした高瀬先輩が、あたしの顔を覗き込む。



「お化け屋敷、嫌い?」