麻美ちゃんと女好き王子



「…?」



その時少し遠くの方で、帽子を深くかぶった男の人が、

一人でピンクのコーヒーカップに乗っているのが視界に入った。


…げ…一人で遊園地、か?


内心そう思いながらも思わずじーっとその人を見つめていると、その時その男の人と目が合う。



「!」



顔はよくわからなかったけれど、きっと知らない人だし気まずくて、目が合った直後は慌てて目を逸らした。



「…っ…」



…ってか、あの人の服装…


黒のポロシャツに普通のジーパンって、よく見たことがある服。

でもそんな服くらい、誰でも着る…か。


すると、あたしがそんなことを思いながら首を傾げていると、やがて高瀬先輩がそんなあたしに不思議そうに声をかけてきた。



「どした?麻美ちゃん」

「!え、」

「なんか、こわーい顔して」



そう言うと、あたしに向かって苦笑いを浮かべて見せる。

その言葉に、あたしは慌ててぎこちない笑顔を作ると、首を横に振って言った。



「い、いえ!何でもありませんっ」

「そう?」



…まずい。


気が付けば、眉間にシワを寄せてしまっていた。

今は、高瀬先輩とデート(?)なんだから集中しないと。