「え、」
高瀬先輩はそう言うと、「行こう」って先に改札を抜けていく。
でも…ちょっと、頭がついていかない。
つまりそれって…
デート、ってことですか?
そんなことを思ってドキドキして平常心を保つけれど、隣にいる高瀬先輩に目を遣ると異常なくらいにドキドキするし。
他のみんながいないんじゃ仕方ないけれど、不安でもどこか心地よくて…。
あたしは今まで生きてきたなかで、こんなふうに好きな人とどこかへ出かけるってことが全くなかったからか、
いざ二人きりになると何を話したらいいのかわからない。
ってか、今まで何を話してたっけ…。
そう思いながら頭の中でいろいろ考えていると、ふいに遊園地に向かう電車の中で高瀬先輩があたしに言った。
「ねぇ、麻美ちゃんってジェットコースターとか好き?」
そう問いかけると、ちらりとあたしに目を遣る高瀬先輩。
その言葉に、あたしは迷うことなく「はい!」と頷いた。
あたしは、ジェットコースターとかそういう類の乗り物は大好きだ。
今までにも何度か麻也くんと二人で遊園地に遊びに来たことはあったけれど、麻也くんもそれが大好きだからよく二人で乗りまくっていた。
しかしあたしの言葉を聞くと、高瀬先輩が溜息交じりに言う。
「マジか。じゃあ俺乗れないし、麻美ちゃんつまんないね」
そう言うと、「やっぱ麻也くらいいればなー」と独り言のようにそう呟く。
…高瀬先輩、ジェットコースター苦手なんだ。
覚えておこう。
「だっ大丈夫ですよ!あたしは、コーヒーカップの乗り物が一番好きですから!」
「え、そうなの?」
「はい!」

