僕は彼女の言葉に何も反応せずに足を進めた。
『正しいこと言ってくれるし、
直さなきゃって思えるし……』
思ったこと、そのまま言っただけだし。
でもなんとなく分かったことがある。
それは、彼女の性格。
たぶん、あれは涙の武器とかそんなの全然知らない
単なる子供なんだと言うこと。
だいたいこの年でお礼がお菓子とかいう発想もおかしい。
僕はポケットに入れていたお菓子をひとつ取りだして見た。
うげ……。
キャラメルだ。
小さい頃から甘すぎて大嫌いなお菓子。
久しぶりに袋を開けて食べてみると
「まず……」
やっぱり甘ったるくて嫌な気分になった。