「ちょ、何よ突然こっち来て」
そして徐々にフェンスのあるところまで追いやると
ガシャンと腕の中に彼女を閉じ込めた。
「俺、一応モテるんだけど?」
「ちょ、やめて……」
「あんな余裕のない俺ばっかだと思うなよ?」
飛び切りいい声を出して
下を向く莉乃の顎をつかむと
くいっと上に持ち上げた。
そしてゆっくり顔を近づけて表情を除き込むと
莉乃はぎゅっと唇をかみしめて、顔を真っ赤にしていた。
………!?
「え……何、お前それ」
「うっさい!触らないで!」
両手で突き飛ばされる俺は、ただただ
ビックリしながら聞いた。