「ば、おい!やめろ!
未玖に手出したらぶっ殺すからな!」
私より先に野上が入ってきた。
彼女は潤が怖いのか泣きそうな顔になっている。
「大丈夫か未玖?」
野上の言葉に天然な彼女は頷いた。
「冗談だよ。
僕がこんな鈍くさい奴に手出すわけないだろ
ちょっとキミをからかっただけだ」
「てめぇ……っ」
私は少し、ホッとしたけど
彼は逆に怒りが込み上げて来たらしい。
しかし、そんなこと
気にもしないのが潤の性格だ。
「まぁいい、その約束さえ守ればいいんだろう?
めんどくさいけど承諾するよ
……じゃあもう僕は帰るから」
淡々とそんなことを言うと、
私には目も向けず屋上から出ていってしまった。