目の前に有川くんはいた。


「有川くん……!」


「本当にキミは色んなことに巻き込まれる

僕もそれに慣れて来ちゃったじゃないか」


ぐいっと私を引っ張ってこっちにこさせると

有川くんは言った。


「ねぇ、おじさん

こんなところで何してんの?

仕事したら?それとも警察いく?」


低く言う声は相手をびっくりさせるのに十分で

目の前にいた男の人は慌てて逃げて行った。


「はぁ……世話がやける」


「ごめんなさい」


いっつも有川くんに迷惑かけちゃうな……。


でも来てくれてよかった。