「おう、」
うつむいて賢人が去るのを見ないようにしていると
「莉乃。」
彼はまだ私の目の前にいた。
「顔、あげろよ。」
私の顎に手をあてて、ぐっと上を向かせる賢人。
「ここんとこ、元気なさすぎ。」
「え、」
「気付いてないとでも思ったか?
お前のことならなんでも分かんだよ」
ドキ、ドキ、ドキ。
「有川と最後の話し合い
不安なんだろうけど、俺たち頑張って来たんだからよ
自信持て!絶対に伝わるから」
バカ……、全然分かってないじゃん。
私が落ち込んでいる原因は潤なんかじゃないのに。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…