僕はこの条件以外のむつもりはない。


恋愛なんて僕にとってはメンドクサイものでしかないんだから。


莉乃とやっと別れられたのに、


他のヤツと付き合う気力なんて湧くわけがない。


彼女の返事を聞かずに、ふいっと背を向けると

自分の教室に戻って行った。


ふぅ……今日は散々な目にあった。


偶然にも同じ場所で

偶然にも同じ時間に


カップルが別れ話をするなんて


科学的には0%に近いことだ。


教科書をまとめ、カバンに押し込むと

僕はこれから起こることを想定して

小さくため息をついたのだった。