おい、ちょ……嘘だろ!?


体制を崩した莉乃はボート側へ体が落ちていく。


「莉乃ちゃんっ!!」


とっさに未玖が莉乃の手を掴んだが、

重力に負けて未玖まで落ちて行ってしまった。


「や……ったすけ……」


ザパーンー!!


嘘だろ……。


「ちっ、」


隣で舌うちする有川は、すぐに水の中に飛び込んで行って。


俺も後を追うように水の中に飛び込むと、溺れている莉乃が目に入った。


「莉乃!!!」


「賢……人っ」


「掴まれ、俺の手に」


精一杯手を伸ばすが、莉乃は体をバタバタさせていて届かない。